局所排気装置とは、作業現場で発生する有害な粉じんやガスを局所排気フードで吸い込んで、ダクトを通って外に風を送り出す装置。これがあるおかげで、有害物質の発生をコントロールできて、作業現場の仲間たちや周りの環境に影響を最小限に抑えられるんです。排気される粉じんやガスは、ちゃんと空気清浄装置でキレイにされてから、安全基準をクリアしたまま屋外に出されるので、作業環境の健康と安全を守るだけじゃなくて、周りの環境も改善できるんですよね。だから局所排気装置は、現代の工場や製造現場では欠かせない大事な代表的な装置なんですよね。
局所排気装置はどんな特徴や種類があるの?
局所排気装置の仕組み
局所排気装置とは、作業現場に発生する有害な物質を効果的に制御するための換気装置ですね。作業現場の近くには「局所排気フード」と呼ばれる特別な吸引装置が設置されるんですよ。このフードを、有害物質が発生する場所に近い位置に置くことで、有害な物質を効率的に吸い込んでくれるんです。
局所排気フードは、特殊な形状や吸引口の設計によって、作業現場で発生する粉じんやガスを効率的に集めてくれるんです。これが効率的な排気を実現する秘訣なんですよね。まずは有害物質発生源を囲うか、囲うのが難しい場合は外付け式フードを使って、作業に支障がないように有害物質に近づけて捕捉するんです。だから作業者が有害物に暴露されないように配慮されてるんですよね。さらに、有害要因の悪影響を最小限に抑えるために、できるだけ少ない風量で対策を行って、有害物質を除去してくれるんです。作業環境を快適に保つ大切な装置なんですよ。吸引時には作業者が手や道具をフード内に差し込むことを防ぐ工夫もされていたりするんです。
吸い込まれた有害物質は、ダクトと呼ばれる管を通じて排気ファンに送られます。このダクトは防火・防爆性能を持っていて、適切なサイズと形状で設計されています。そうすることで、有害物質が漏れずに排気ファンまで効率よく搬送されるんですよ。
そして、排気ファンはとても強力で高性能なものなんです。局所排気フードから吸い込んだ有害物質を効率的に集めて、工場の外へしっかりと排気してくれる役割を果たしています。このファンの性能は、吸引する有害物質の量や性質に応じて選定されています。
そして、とっても重要なポイントは、排気される粉じんやガスがクリーンになるように処理されることなんですよ。排気ファンを通る前に、実は空気清浄装置が設置されているんです。この装置では、フィルターや吸着剤を使って、有害物質を取り除いてくれるんですよ。だから、結果的に排気される空気は安全基準を満たしたクリーンな状態になるんです。
局所排気装置と全体換気装置の違い
局所排気装置と全体換気装置の違いは、主に排気の対象範囲と効果の違いにあります。
まず、局所排気装置は特定の作業現場や作業台の周りに設置されていて、作業現場で発生する有害物質を効率的に集めるために設計されています。局所排気フードを使って有害物質を吸引し、ダクトを通じて排気ファンで工場外に排出する仕組みになっていて、そのおかげで有害物質が発生する場所に直接働きかけることができるから、とても効率的に有害物質を除去できるんです。しかも、周囲の空気をあまりかき混ぜないから、作業現場の環境にも影響を与えずに有害物質を制御できるんですよ。
それに対して、全体換気装置は作業場全体の空気を希釈して有害物質の濃度を下げる設計になっているんです。作業場外(外気)から給気ファンで新鮮な空気を取り込んで、作業場内で発散している有害物質と混ぜ合わせて、排気ファンで工場外に排出するんですよ。全体換気装置は、作業現場全体の空気を効率的に循環させて、有害物質の希釈をすることが主な効果なんですね。作業現場全体の環境を改善するとても役立つ装置なんですが、一方で排気される空気が周囲の環境に影響を与えることがあるので、地域管轄の労働基準監督署と協議する必要があるケースもありますね。
局所排気装置の種類
局所排気装置は、吸引の仕方によっていくつかの分類があります。以下に代表的な分類を説明しますね。
囲い式局所排気装置(ブース型):
囲い式局所排気装置は、作業現場の発生源の周囲に特別な形状や吸引口を持つフードを設置するタイプの装置です。このフードは、作業現場を囲むように配置されているので、発生した有害物質をとても効率的に吸引できるんです。これによって、作業者の安全を確保しながら有害物質を効果的に吸引することができるんですよ。もし作業者がフードの近くで作業をする場合、この装置が役立ちます。その際、フードの形状や大きさは作業の内容に応じて選ばれることが多いですね。
外付け式局所排気装置(アーム型・側方吸引型):
外付け式局所排気装置は、可動式のアームが付いている装置です。このアームを使って、作業者は有害物質の発生源にアプローチし、スムーズに吸引することができます。アームの位置は調整可能で、だからこそ、作業者の使いやすさが確保されています。狭いスペースでも効果的に使えるというのも大きな利点ですね。もし作業者が動きながら作業する必要がある場合、この装置がぴったりです。
キャノピー式局所排気装置(上方吸引型):
キャノピー式局所排気装置は、作業現場から有害物質を集めて吸引するスグレモノの装置です。ダクト(排気管)を駆使して、有害物質をダクトにしっかり集め、そして排気ファンでしっかりと排出します。このダクトの配置を工夫することで、複数の作業現場から有害物質を一箇所にまとめることも可能なんです。何かしらの作業で排気を共有したり、長距離の排気が必要な場合に大いに使えるというわけです。
局所排気装置とプッシュプル型換気装置の向き不向き
局所排気装置の特徴は、作業現場で発生する有害物質を特定の場所で集中的に吸引すること。つまり、特殊な形状や吸引口のフードを作業現場の発生源の周囲に設置する必要がありますね。
だから、局所排気装置の向いている作業は、特定の作業スペースや作業台で有害物質が発生する場合が挙げられます。例えば、溶接や研磨などの作業で発生する金属粉塵やガスを素早く吸引し、効率的に排気するのには適していますね。また、有害物質の発生源が限られた範囲に集中している場合や、作業者が特定の位置で作業する際にも効果的だと思います。
一方で、局所排気装置が向いていない作業は、作業者が移動しながら作業を行う場合や、広範囲にわたって有害物質が発生する場合です。こういった状況では、全体的な換気効果が求められるため、他の換気方法を検討する必要があるでしょうね。
プッシュプル型換気装置の特徴は、作業現場の空気をプッシュ(送風)とプル(排風)の組み合わせで循環させること。外部から新鮮な空気を取り込んで作業現場内に送風し、同時に室内の空気を排気して外に出すことで、空気の流れを作り出すんですね。これにより、作業現場全体の空気を循環させ、有害物質の希釈を図ることができるのが特徴です。
だから、プッシュプル型換気装置の向いている作業は、広い作業スペースで作業者が移動しながら作業する場合や、作業現場全体に均一な換気を行いたい場合が挙げられます。例えば、揮発性有機化合物が塗料や塗装材料の噴霧中に発生する塗装作業や、揮発性物質が反応過程で発生する化学実験、微細な粉じんや蒸気を発生する電子機器の組み立てやはんだ付け作業など、広範囲にわたって有害物質が発生する場合に効果的でしょう。
逆に、プッシュプル型換気装置が不向きな作業は、特定の発生源の周囲のみを集中的に排気する必要がある場合や、局所的な換気が求められる場合でしょう。こういった場合には、局所排気装置などの他の方法を検討することが適切かもしれませんね。
要するに、局所排気装置とプッシュプル型換気装置は、作業現場の状況や有害物質の発生パターンによってどちらが良いか選択されるべきものです。どちらの装置も、作業環境と作業者の健康を守るために重要なツールということですね。
局所排気装置に関連する法令は?
労働安全衛生法
労働安全衛生法は、労働環境の安全と健康を確保するための法律で、作業現場における有害物質や危険因子の制御、適切な装置の導入や管理、作業者への教育・訓練が規定されています。この法律の下で、局所排気装置の運用は労働者の健康と安全を確保する重要な手段とされています。詳しくはこちらをご覧ください。
有機溶剤中毒予防規則
有機溶剤中毒予防規則は、有機溶剤による健康被害を防ぐための規則です。局所排気装置は、有機溶剤を使用する作業現場での換気や排気に用いられ、有機溶剤の発散を抑えることで作業者の健康を守ります。作業環境の評価や装置の性能確認、作業者への健康監視が要件とされています。詳しくはこちらをご覧ください。
特定化学物質障害予防規則(特化則)
特定化学物質障害予防規則は、特定の化学物質による健康被害を予防するための規則です。局所排気装置は、これらの化学物質を使用する作業場での換気や排気に活用され、有害物質の広がりを防ぐ役割を果たします。換気効果の確保や作業環境の評価、作業者への情報提供が要求されます。詳しくはこちらをご覧ください。
粉じん障害防止規則
粉じん障害防止規則は、粉じんによる健康被害を予防するための規則です。局所排気装置は、粉じんを発生する作業現場での換気や排気に使用され、粉じんの飛散を抑制し、作業者の健康を守る役割を果たします。装置の設置や保守、作業者への教育が要件とされています。詳しくはこちらをご覧ください。
鉛中毒予防規則
鉛中毒予防規則は、労働安全衛生法の規定に基づいて制定されたもので、1989年に改正され、特に健康診断に関する条項が強調されました。この規則により、事業者は鉛関連の健康診断結果報告書と鉛健康診断個人表を所轄の労働基準署署長に提出することが義務付けられました。さらに、1996年には「健康診断の結果についての医師からの意見聴取」が追加されました。
鉛を特性別に見てみると、次のような用途例がありますね。
(1) 鉛バッテリー
(2) 放射線吸収の用途
(3) 放射線の化学的作用を利用した改質、生物学的作用を利用した殺菌
(4) 機械的振動に対する減衰材としてビル等の免震装置
(5) 音響の方面での遮音材
(6) 耐食性が極めて優れているため屋根材
(7) 装飾
(8) 電解銅箔製造用鉛電極
(9) ウエイト
これらは私たちの身近な製品に使われていて、製造工程で有害物質が発生することがあります。そのような有害物質は、バグフィルターやスクラバー等で処理されます。
鉛およびその化合物については、環境と排出の面からも規制が定められています。
例えば、環境基本法では水質汚濁に関連する基準が設けられており、0.01mg/リットル以下が規定されています。大気汚染防止法では工場および事業所のばい煙の排出基準が定められており、10~30mg/Nm3(施設ごとの排出基準となっています)となっております。そのほか、水質汚濁防止法では、0.1mg/リットル(許容限度)が排出水の基準として定められていたり、水道法に基づく水質基準では、0.01mg/リットル以下と基準が定められていたりします。
局所排気装置の点検はどうすれば良いの?
局所排気装置の点検はすごい重要です。
局所排気装置の点検をきちんと行わないと、排気装置がちゃんと機能しなくなり、作業に適切な環境が保たれなくなって作業者の健康や周囲の人々に影響が出る可能性がありますね。また、局所排気装置の点検は法律で義務付けられています。もし怠ると、労働安全衛生法に違反してしまうことになり、罰金や懲役の刑罰が科せられることがあるんです。だからこそ、局所排気装置の点検を注意してしっかり行うことが大切です。
局所排気装置の点検はどうやってするの?
局所排気装置については、一年以内ごとに一回、定期的に、次の事項について自主検査を行わなければならないと定められています。
(有機溶剤中毒予防規則 第二十条、特定化学物質障害予防規則 第三十条)
①外観による目視点検
フード、ダクト及びファンの腐食、くぼみその他損傷の有無及びその状態を目視で確認しましょう。
②ダクトの確認
ダクトの接続部緩み、ダクト内部における塵埃の堆積状態
③排風機の確認
排風機の軸受け等への注油状態、排風機のファンベルトの緩み摩耗の状態、排風機内部における塵埃の堆積状態
④装置の性能を保持するために必要なもののチェック
電流、電圧、風量、静圧の測定など
⑤制御風速
囲い式で有機溶剤を使用する場合の制御風速は0.4/sです。
1辺が0.5mになるよう16分割(小さい場合は2分割)し、すべてのエリアでの0.4/s以上であれば、法的性能要件を有していると判断して良いかと思います。風速計は、微風速を測定するのに適切な熱線式風速計を利用するのが良いでしょう。
局所排気装置の点検は他の会社に頼めるの?
さまざまな企業や団体が専門的な局所排気装置の点検サービスを提供しており、気軽に依頼することが可能だと思います。局所排気装置の定期自主検査は、前述した通り、厚生労働省の検査指針に従って行えば、特別な資格は必要ありません。ただし、一定の知識と技術が要求され、なおかつ「局所排気装置等の定期自主検査者講習」を修了した専門家が行うことをおすすめします。その指導や教育が行える自主点検インストラクターが担当することで、より信頼性が高まるでしょう。
さらに、定期点検だけでなく、局所排気装置の設計・設置から定期点検までを一貫して委託する方が、法律に適合した労働環境を維持することがしやすくなります。法律を遵守し、作業環境の安全性を確保するためには、専門家によるアプローチが効果的です。どのような業界や規模の企業であっても、作業環境の改善は従業員の健康と生産性向上につながる重要な取り組みです。局所排気装置のしっかりとした定期点検と専門知識に基づいた対策が、安全な労働環境を築く一助となることでしょう。お気軽に専門のサービスを活用して、健康で安全な職場を実現しましょう。
局所排気装置の主なメーカー
局所排気装置を導入するにはどうすれば良いの?
導入するには?
局所排気装置を導入するには以下の手順を踏む必要があります。
1.専門家への相談
局所排気装置の設計や選定には専門知識が必要です。まずは専門家と相談しましょう。対象の作業が何か、関連する法規が何か、労働基準監督署から指導は受けているかどうか等のカルテ作成・ヒアリングから、現地調査、最適な装置の種類、配置、設置方法などの設計まで、自分たちではできないところまでしっかりとサポートしてくれるはずです。
2.ニーズの評価や現地調査、計画立案
まず、現地調査及び寸法取り、作業現場の特性や有害物質の種類、作業内容などを専門家の方で評価し、どの場所にどのような局所排気装置が必要か、作業環境や法的要件に基づいて計画・検討してもらい、計画提案と概算見積をもらいましょう。予算に応じて何種類かプランをもらうといいですね。
3.設置と構築
提案してもらい採用したプランで局所排気装置の設置・施工を行います。排気フードやダクトの設置、排気ファンの取り付けなどを行います。もちろん設置作業は専門知識が必要なため、専門家に委託して行うことをお勧めします。
4.動作確認と調整
設置した局所排気装置が正しく設置されているか確認し、動作テストを行います。計画していた作業環境になっているかどうか、労働安全衛生法や関連する法規に適合しているかどうか、適切な風量や吸引効果を確保するために調整やテスト運転を行ってもらいましょう。
5.作業者への教育
局所排気装置の適切な使い方や保守方法について、作業者に教育しましょう。どんなに良い設備を整えても使い方を誤れば適切な効果を得ることはできません。局所排気装置の使用方法や点検の重要性を作業者に周知し、安全な作業環境の維持に自分たちで実現していく意識を醸成することが大事ですね。
6.定期点検と保守
局所排気装置の導入後も定期的な点検と保守作業を行い、装置の効果を維持する必要があります。定期的な清掃や部品の交換を行い、効率的な動作を確保するようにしてください。
局所排気装置の導入は、従業員の健康と安全を守る重要なステップです。専門家と連携し、計画的かつ適切に進めていくことが大切です。
届出は必要なの?
局所排気装置の計画書を労働基準監督署に提出が必要です。局所排気装置摘要書(様式第2号)機械等設置届期日は、工事着工1ケ月前の事前届けとなっています。上記の手順で言うと、2と3の間に届出が必要になります。なお、この計画を承認受理されるまでは工事の着工が出来ません。
相談してから実現するまでどれくらい掛かるの?
局所排気装置を導入する期間は、様々な要因によって異なる場合があります。一般的に、相談から設計提案まで1ヶ月、労働基準監督署への計画書の提出をして承認を受けるまで1ヶ月、設置・施工・試運転調整で1ヶ月など、局所排気装置の導入には短くとも数ヶ月は掛かると思っていた方が良いでしょう。特に設計や調達、施工などの段階では、慎重な計画と調整が求められます。企業や事業所によっても状況は異なるため、具体的なスケジュールは専門家と相談しながら決定することが重要ですね。